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ケーニヒス=ヴェルグ

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チョーコー

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ミルヴァ

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セヴラン

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[Chapter 02] Ship:Nauthizと一〇五番隊

昨今の技術革新によって、移送用キャンプシップはかなりより良くなった。
スピードを上げてしまうと起きてしまう機体のブレを新規格のフォトンバランサーで
極限まで抑えることが可能になった。この結果、無駄なタイムロスを無くすことができ、
更にはキャンプシップ内の静音性まで格段に上昇させることに成功した。
おかげで船間旅行は至極快適に行うことができ、キャンプシップ内では
リラックスして端末の文面を見たり"グーグー"と寝息をたてている者もいたりする。
その寝息をたてている一人の男――ライナス・ギルバート。
本日アークス士官学校を飛び立った新米アークスの一人で、Ship:Nauthizに帰属する
"独立部隊属 第一〇五番隊"へ配属が決まっている。しかし彼はその部隊の
環境を全く知らないでいるのだ。そんな予想もつかない"将来=これから"であるのに
彼は凄くワクワクした気持ちでShip:Nauthizへ到着するのを待っていたのであった。

◇◇◇

「「「船内のお客様にお知らせいたします。こちら、キャンプシップ第209号便は
Ship:Nauthizへ到着いたしました。機体が安定するまで――」」」

(う……うーん、到着したのか? は~ぁーぁー寝不足も解消されたっぽいし、
いい気分だぜ)
目覚ましアラーム代わりの到着を知らせる船内アナウンスによって、熟睡していた
ライナスはスッキリとした表情で目を覚ました。到着までの3時間一度も起きることが
なかったのも静穏性と快適さが増したキャンプシップのおかげと言えるだろう。
ライナスはキャンプシップが安定したという船内アナウンスを聞くと、持ち込んでいた
荷物を背中に背負い忘れ物が無いか確認した後にキャンプシップから降りた。
(うっわ……こりゃスゲーなー!)
彼の目に映りこんできたのは、キャンプシップポートにいる膨大な人達。
スライトクロスを着た一般の市民から、彼と同じようにアークスとして配属される為に
来たのであろう手荷物を背負っている者まで様々。人……人……人、彼らが向かっている
ゲートもまた大きなものである。簡素ながらも重厚感があり、ここへ来た者達を
「ヨクキタナ」っと堅苦しく祝福しているかの様な表情を見せている。
(あのゲートの先に改札があるみたいだな、んじゃ俺も行きますか)
背中の荷物を改めて背負い直し、彼はゲートに向かって歩み始めた。
(さて、パスを用意してと――ありゃ改札が2種類あるぞ?)
その大きなゲートを抜けると改札があるのだが、何故か2種類あるのだ。
一つは青いラインマーカーで誘導されている改札、もう片方は赤いラインマーカーで
誘導されている改札である。何がどう違うのかさっぱりわからない彼は、中央に立っている
職員らしき女性に声をかけた。

「あのーすんませんー。俺はどっちにいけばいいか分かりますか?」
「失礼ですがパスをお見せいただいてもよろしいですか?」
「あーこれです」

パスを見せてくれとの要望をされたのでライナスは開示してみせた。

「なるほど、本日付でアークスに配属される方ですね。その見た目でわかりましたが、
規定により一度確認しなくてはいけないので。アークスの方なら赤いラインマーカーを
お進みくださいませ」
「赤い方か、ありがとうございます! それで一つ聞きたいのですが――
青いラインマーカーの方はどういった人たちが――?」
「お答えしますね、青い方は一般市民の方です。オラクル船団中の大規模シップ=1~10番
までの各シップは一般市民居住区とアークス居住区が区別されているのです。ですので、
キャンプシップポートの改札から分ける必要があるのです。再度申し上げますと、
赤いラインマーカーの方はアークス・アークス関係の職員・各アークスショップのスタッフ達、
そして青いラインマーカーの方はそれ以外の一般市民の方々専用の改札へと誘導しているのです。」
「なーるほど、居住区が分けられてるからシップ入りから分けるって話か」

職員の説明に納得したライナスは「ありがとな」と礼をして赤いラインマーカーに沿って改札を
目指して再び歩み始めた。

「はい、パス見せてくださいねー」
「はいよ、これでいいか?」
「ほうー、今日からアークスか。君の幸運を祈るよ」
「ありがとな、おっちゃん!」

改札をスルーする際に激励を受けた彼はそう言って、改札出口前に設置されている大きな円形の
テレポート装置に乗り込み、Ship:Nauthiz アークスゲートエリアへ転送された。
(いよいよか……俺もアークスの一員になる時が来た!)
"ブイーン ブイーーン"とした転送が響く中、彼はアークスになる実感を噛み締めていた。
数回の光の輪をくぐり抜けていった先に光が見えた、テレポートの出口である。
ライナスは無意識にその光に向かって手を伸ばすと拳を握りしめ――

「行くぞォォォーー!!! 俺はアークスになったァァァァーー!!!」

大きな雄叫びを上げつつ最後の光の輪をくぐり抜けた彼はテレポートを終え、アークスゲートエリア
にその足を降ろした。ライナス・ギルバート、正式にアークスとなった瞬間であった。

◇◇◇

(えーっと、独立部隊属 第一〇五番隊はどこだっと……)
アークスゲートエリアへ到着した彼は携帯端末を手にとり、配属される部隊が入っている
施設へのMAPを開きそこに向かっている。
ところで正式なアークスとしての承認はアークス士官学校卒業の際に既にされており、
アークスゲートエリアに着くだけで完了。各種手続きは一切不要なのである。
そう聞くと事実上は卒業した瞬間に正式なアークスにはなっているのだ。
しかし、配属されたり自らが拠点として選んだシップのアークスゲートエリアに
足を踏み入れた瞬間が、正式なアークスになったと言える伝統が根付いているのである。
つまりライナスも今まではアークス気分だったが、今やアークスの一員な訳である。
そしてこのアークス居住区には沢山の施設とそれに繋がるルートがいくつもある。
人数の多い大部隊であれば、シップ周りを同速度で航海している専用シップを拠点に構えていることがほとんど。
しかし、中・小規模の部隊は複合施設を共有したり、施設占有をして拠点を築いている。
例を挙げると、高いビルの階数で分けたり、横に長ーい住居なら等間隔で壁を作って分けていたりする。
(あー、この施設なのか。意外と大きくはないな)
MAPによるナビゲートが終了したのを確認してライナスは携帯端末を直す。
彼の前にあるのは白く塗装された一階のみの施設。しかしその面積は広い、普通なら何個かに
分けて数分隊で共有する複合施設向きであろう。だが、入り口は一つ。
そしてその横に表札が一つ――
"独立部隊属 第一〇五番隊"
と木の板に白い塗料で殴り書きされていた。
(……何か思っていたのと違うな、てっきりスゲー怪しいとこだと思っていたぜ)
アークス士官学校時代の同僚にヤバイ噂を教えてもらっていたのだが、
そんな雰囲気など一切感じられない施設の外見と無茶苦茶な表札。
(まーヤバそうな所じゃなくてって……中に入らんとわからんな)
そういって、毎度同じみの携帯端末を入り口横にあるタッチパネルにかざす。
そうするとどうだろう、入り口が縦に割れて左右に開かれたではないか。
(いや~こりゃ凝ってるな、普通に"カチャ"って開くだけでいいと思うが……)
携帯端末には予めアークスの個人情報がインプットされており、勿論配属先の部隊も登録されている
受け側の番隊は、当日アークス本部から新規メンバーリストが伝送される。そのリストを元に
部隊メンバーリストを更新する。更新され部隊メンバーとなっている者は、入り口のタッチパネルに
携帯端末をかざすとリンクし、部隊が拠点を置く施設入りを許可される仕組みだ。
(リンクして開いたってことは、既にこの部隊のメンバーリストに登録されてるって訳か。
新規メンバーの俺、どんな感じに歓迎されるんだろな~)
ライナスは一〇五部隊が拠点にしている施設に入ってみた。まずはエントランスと言うべき部屋だろうか、
そこまで広くはないが、幾つかのソファーとテーブルが設置されている。
(ロビーみたいな感じか……でも誰も居ないな~)
そう、そこには誰もいなかったのである。施設に入ってすぐの所に誰も居ないとは――
何か変である。普通なら歓迎の用意をしている部隊メンバーが並んでいたり、少なくとも
メンバーが色々と話をしているはずである。
(あんまり初めての所を勝手にウロウロするのは気が引けるけどな~。
まー誰も居ないんじゃしょうがない、誰かいるか探してみるか)
そう思って、ライナスは入り口から見て目の前にあるトビラに向かって行った。
エントランス正面の奥にあるそのトビラはロックフリーであった為、彼はそのまま部屋に入ってみると――

「バッジ! その個室は開けたか!?
……誰だ! こんな時に入ってくる奴は!! ほ!?」

「リュディガー、とりあえず個室にあったもの全部捨てといたぜ!
何だ? そんなん気にすんな……Wooooooow!!!!!」


「ど……ども、ライナスっす……」

「「「……」」」

そこには汗を流しながら卓上端末に向かって作業を行っていた中年アークスと
何なのか分からないが、パンパンに膨れ上がったゴミ袋を両手に持った男がいた。
そして、そんなワタワタしている所に件の新メンバーライナスが入ってきてしまったのだ。

「見たことない顔……ライナス。ハァー……彼が例の新メンバーで間違いなさそうか、バッジ」
「Yes, アイツで間違いねぇよっとぉぉー!!!」
と言って男は両手のごみ袋をあさっての方向へ投げ飛ばした。
そして両手をパンパンとはたくと、ふぅーっと一息ついた。

「Welcome ライナス。まさかホントに来ちまうとは思わなかったぜ」
「お、バッジさんじゃないすか。来ちまいましたよ」
そう会話を交わして2人は握手を交わした。
「ライナスもアークスになった訳だし、改めて自己紹介だ
バルトジークス・セス・クロフォード、通称バッジだ。ヨロシク!」
「こちらこそっすよ、バッジさん」
エッジの効いた自然な金髪、青い目。耳は機械、"アンドロイド=キャスト"の男性である。
服装はOFFスタイルの部屋着なのか、上下ロングジャージを着こんでいる。
「Oh...さん付けはNO。バンドで何回か組んだことあっただろう?
そん時と同じでバッジでOKだ。All right?」
「あー……んじゃ、よろしくなバッジ」

バンドマンとしてではなく、これからはアークスとして互いに認識するようになる。
そのケジメとしてバッジは改めて自己紹介をライナスにした。

「まーなんだ、2人が以前からの知り合いだったと言うことは、バッジからさっき聞いていたよ」
そう言って、中年のアークスが席を立ち2人に歩み寄ってきた。

「リュディガー・グラッツェルと言う、一応ここの代表で創設者って立場だ」
「ライナス・ギルバートです、本日付でこちらに配属になりました!」
(こ……このおっさんが元アークス狩りのリュディガーか)

黒い髪の毛を少し外にはねさせて探検帽を被り、渋めな茶色いコートを着用している。
アークス狩りだったと聞いていたので、もっとごつくて厳つい人なのかと想像していたライナス。
しかし、実際の彼はファーストコンタクトの時点では良い人のように思えた様だ。

「ハッハッハ! そこまで気を張るな、リラックスリラックス」
「あ~わかりました、こんな感じでいいっすか?」
「そうそう、俺は知らないがいつも通りの調子でいろ。下手に気を使わせたりするのは
家の風潮には合わないからな、それでは言うのも今更であるが――」

そう言ってリュディガーはライナスへ手を差し出した。

「ようこそ、我が一〇五番隊へ。貴君の配属を歓迎する」

応えるようにライナスは彼と握手を交わした。



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