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[Chapter 03] 彼の部隊の噂と彼らのキズナ

ライナス・ギルバート、ジョーイ・ハミルトン、マライア・オグバーン、トレヴァー・ラドクリフ。
卒業を一週間後に控えた4人の士官候補生である彼ら。
マライア・オグバーンは"Ship:Ansur 独立部隊属 第〇七八番隊"
トレヴァー・ラドクリフは"Ship:Laguz 独立部隊属 第一三〇番隊"
ジョーイ・ハミルトンは"Ship:Nauthiz 直立部隊属 遊撃班"
と言った、それぞれの配属先を発表した。
残るはライナス・ギルバート、彼の配属先の発表だけだった――

「んじゃ、最後はこの俺だな」
そう言って前のめりになりながら最後の発表者ライナスが宣言した。
しかし、そんな彼に向けて3人の不安そうな視線が向いた。
「って言ってるけどさ~、ライナス本当に決まってるの?」
「確かお前、部隊申請もスカウトシートも未記入だったな。
まさかフリーランス=傭兵アークス行きって……ないだろ?」
何だか心配になってきたマライアとトレヴァー。みんなは配属先が決まっているというのに
彼だけ配属先無しというのは何とも後味が悪い。ジョーイに至ってはもう黙っている。
「おいおい、そんな顔するなって! 大丈夫、ちゃんと決まってるからよ」
いつになく自信満々なライナス、配属先が決まることぐらい普通なことなので何とも言えない。
「では発表してもらおう、ライナス。お前が配属される部隊名を」
沈黙を破ったジョーイの鋭い言葉がその場を凛とさせた。
「OK! そんじゃ俺の配属先はだな――」

「"Ship:Nauthiz 独立部隊属 第一〇五番隊"だ!」

その言葉を大声で叫んだ途端周りにいた何人かが反応した。
勢いよく顔を彼に向ける者、体制を崩しガタンとイスから落ちる者、
嘘だろと言葉に出す者までいた。ライナス周りの空間が何か異様な雰囲気に包まれた。
「ん? 何で何人か俺の方を向いたりしてるんだ? 何かマズイのか?」
注目を浴びて少し嬉しい気持ちになりながらも不安になってきたライナス。
「Ship:Nauthiz 独立部隊属 第一〇五番隊……」
考え込むような表情でその名を口にし始めたジョーイ。
テーブルに置いていた携帯端末を手に取りその部隊の情報を話し始めた。
「通称"Insult Reaper=侮辱狩り"。数十年前、一部にアークス狩りとして名をはせていた大剣使い
リュディガー・グラッツェルが創設者の小規模部隊か」
スラスラと端末に記載されている基本事項を述べて行くジョーイ。
そんな彼に対して何にもわかっていないマライアが口を挟んできた。
「ここまで聞くと普通の小規模部隊に聞こえるけど、何か変なところあるの?」
答えはYES。ジョーイは頷き、さらに続けた。
「この部隊、部隊申請受理もスカウトも行っている様子がない。こういう部隊はごく少数で
レア部隊と俗に言われている、メジャーではなくマイナーとも言えるが。
その実力や雰囲気の判断は難しい。何せ件の2パターンを採用していないから情報開示をする必要が
部隊にはないだろう?」
「言われてみれば確かにそうだね……じゃあどうやって配属されるのよ?」
「それを今から本人に聞くんだろ? ライナス、どういう経緯でこの部隊と関係を持った?」
三人の興味は彼がどういう経緯でその部隊に配属が決定したのかに移った。
(もしかして裏に通じたりしているのかも……)
(まさかコイツっ!)
(ヒューマンやめてました! とかいう冗談は無しだぜ、ライナス)

「えーっと、バンドで長年サポートドラムやってくれた人がいるんだけど。
人っていうかアンドロイドか? その人に勧誘されたんだ、答えは勿論OK。
いやーまさかアークスだったとはな~、配属先決まってなかったから助かったぜ」
「「「は?」」」

三者三様の予想に反して彼の答えは妙に軽いものだった。
普通なら書類選考や実力を見て部隊の中心人物が会議をして決めるものだ。
それを部隊の個人が独断で決めるなど聞いたこともない。
部隊にとってそれは一種の賭けよりも無謀ともいえる行為。
一体何を判断材料にしてそのアンドロイドのメンバーはライナスを勧誘したのか、
疑問を挙げれば山程あるが、それを彼に問いただしても答えられる訳がない。
少なくともそういう結論を出したジョーイは、納得いかないマイラスとトレヴァーを
"聞いても無駄だ"を伝えるジェスチャーで落ち着かせた。
「そしてもう一つ俺がこの部隊について言えることがある、いや知っていることがある」
真剣な顔をしているジョーイの表情が一層その険しさを増した。
これにはマライアとトレヴァーは黙っていることが最善だと悟り口を封じた。
「部隊には創設者=部隊のリーダーの他に任務を行う現地でのリーダー、
戦闘指揮を行う者がいる。これの名称を仮に戦闘リーダーと言おう。
各部隊には部隊全体の統率ではなく、戦闘中のメンバーを統率するリーダーが必ずいる。
それは部隊の副リーダーとでも言える立場の役職だ、これなら分かりやすいだろう?」
3人がジョーイの問いに頷くと、彼はさらに続けた。
「それでライナスが配属される予定の"Ship:Nauthiz 独立部隊属 第一〇五番隊"。
長いからこれから"Insult Reaper=侮辱狩り"と言うぞ。このInsult Reaperの
戦闘リーダーは"鬼子"だ。」
「鬼子だと!?」
ただ一人その名を言葉に出して驚いたトレヴァー、彼は知っていたのだ鬼子を。
「どうやらトレヴァーは鬼子を知っている様だな。」
「ああ、一度見たら忘れらんねーよ。最近正式に認められたデューマンと似ているが、
その力は根本的に何かが違う。ハッキリ言うとあれは化け物だ……。」
その時の光景を思い出した様子で彼の額からは冷や汗が滲み出てきている。
「同じアークスとしてみれば心強いが、もし敵だったら今の俺じゃ絶対敵う相手じゃない」
「そ……そんなにやばいのか、鬼子って奴は」
語るだけでトレヴァーがこんな様子になるとは思ってもみなかったライナス。
流石の彼もこれには動揺せざるを得ない、少し恐怖で身震いしている。
そんなブルブルしている情けないライナスとトレヴァーに対して
「ネガティブになりすぎよ2人共、少なくとも同じアークスだし敵対はしてないでしょ。
それにそんなのが戦闘リーダーなら、少なくとも危ない目にはならないんじゃない?
だって滅茶苦茶強いんでしょ、どんな敵が来ても大丈夫大丈夫!」
「そう言われればそうだな」「ああ、悪く考えすぎてしまった。悪かった」
ここぞとばかりの彼女のポジティブさに救われた2人。
「まーとにかくだ」
落ち着きを取り戻したのを確認したジョーイが口を開いた。
「とにかく、お前は俺が調べてもよく分からない部隊に配属される訳だ。
ハッキリ言うと先は全く読めない、それでもその部隊に行くのか?」
「当たり前だ、そこを逃したら俺は新米でフリーランスっていう地獄を体験しちまう」
暗に覚悟はできているな? 当たり前だとでも言えるような会話を二人は交わした。
「それなら良い」
納得した様子でジョーイは険しい顔つきを元に戻した。

「あーあー!」
重苦しい空気に耐えかねたのかマライアが大きな声を出した。
「よぉーし! これで4人全員がこれから活躍する場が決まったね!
ふぅ~これで安心して卒業できるよ」
「全くだ、何はともあれ良くやったよ俺達」
トレヴァーが彼女に次いで感慨の言葉を口に出した。
入学当初はここまで行きつけるとは思わなかったであろう4人。
出会いこそ即席のパーティー編成であったが、今ではかけがえのない戦友となった。
「んじゃ、景気づけに乾杯するか! 何か買って来るわ!」
「はいはい、ライナスお任せー」
この士官学校で培った知識・技能や仲間の大切さは後に彼らの支えになるはずだ。
「へいお待ち!」
「これガッツドリンクじゃん!? 今から任務に行くわけでもないのに……」
「まーまー、これから頑張って行こうぜって意思表示だろ。なぁライナス」
「そういうこった! ほらよ、ジョーイの分だ」
「なるほど、そう言う意味では悪くない」
まだ先は見えないが、何時しか立派なアークスとなって互いに再開するであろうその日まで。
「それじゃ残りまだ一週間あるが、それぞれの活躍を祈って――」

――4人の士官候補生は旅立つ――
「「「「乾杯!!!!」」」」




Episode 0 -アークスになる- END
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