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[Chapter 01] 士官候補生の4人

アークス士官学校内の大広間。
壁一面がガラス張りになっている為、広大で美しい宇宙を楽しむことができる。
さらに円状のテーブルとその周りにはイスが等間隔で配置されており、ここは士官候補生の憩いの場となっている。
休憩やおしゃべり、食事をしている士官候補生達。そんな輪の一つに手を振りながら進んでいる男がいた。
「おーい! 普通に元気かー!?」
"ライナス・ギルバート" 卒業を一週間後に控えている士官候補生の一人。スカイブルーの目を持ち、
真っ黒な髪をアップバンクにしているパンキッシュなヒューマンの男性である。
クラスはハンター、主にソードを使う典型的なパワーアタッカーのポジション。
「……普通に元気か? その挨拶は可笑しくないか?」
「そうか? 俺は何にも間違ってはいないと思うけどな!」
「ライナスは平常運転と言ったところか。ふぅー、本日もオラクルは平和でした」
ライナスとの会話に頭を抱えながらも安堵の表情を浮かべた士官候補生。
彼の名は"ジョーイ・ハミルトン" 長身で茶色の目を持つヒューマンの男性、クラスはレンジャーでライフルを使用。
士官候補生トップクラスのエイム力を持ち合わせており、即戦力として期待される逸材。
その少し青混じった灰色の髪は、任務に支障が出ないよう目にかからない程度にカットされている。
戦闘能力・見た目からも校内での人気が高く、同級生からは"士官候補生達の兄"として慕われているのだ。
「何だ? んじゃ、俺がどうなったら平和じゃなくなるんだよ?」
「こうだ、お前が真面目で冷静な奴になったら」
そう言った瞬間、ライナスは右手をパーにして前に突き出し――
「断固拒否する!」
渾身のキメ顔で"切り捨て御免! お縄だお縄"を現すポーズをとって見せた。
「うむ、それでこそお前だ」
普段通りバカな返しをジョーイが綺麗にスルーしていると、
彼の背後にあるテーブルの下から"ピョコンッ♪"と一人の少女が顔を出してきた。
「おぃーすっ! ライナス、今日もテンションたっかいねー♪」
「うぃーすっ! お前もテンションたけーな、マライア!」
2人は大きく飛び跳ね、両手でハイタッチを交わした。
ライナスがマライアと呼んだ彼女の名は"マライア・オグバーン"。
赤みの強いオレンジ色の髪を邪魔にならない程度のセミロングにカットしたヒューマンの女性。
制服の下に着用しているパーカーのフードを頭にちょこんとかぶっているのが特徴で、
男っぽいサバサバとした性格から両性ともに友人が多い校内屈指の活発女子だ。
そんな彼女のクラスはファイター、ただしナックルしか使わない。
「ハイ! ジョーイもハイタッーチ! イエーイ!」
「お前とはさっき会った時にやったはずだが」
呆れた様子で手を振って"俺はやらない"の意思表示を彼女に見せるジョーイ。
「エエェ!? お……お前がハイタッチをしただと!?
普段は全然したところを見たこと無いが、マジなのか!?」
ワザとしてるんじゃないか? と思わせる変なポーズをとってしまうほど
驚きを隠せないライナス。普段から冷静なジョーイが、この様なテンションで
ハイタッチを交わすことなど絶対あり得ないと思っていたからである。
「一応言っておくが、俺はそんなテンション高めですることはない。
だがな、一応コミュニケーションでハイタッチの一つや二つは行うこともある」
「だけどさ、俺がいる時にやったことないだろ? ナゼ――」
「その答えは簡単だ。ライナス、お前が調子に乗るからだ。
ハッキリ言うがお前が調子に乗ると面倒だ、マライアも大概だがコイツの方が幾分かマシだ」

――シャキーン――

「ホギャァァァ!」
何かに切り裂かれたように意味の解らない悲鳴を上げ、しゃちほこの様に飛び上がったライナス。
その勢いで傍にあったイスを後ろに蹴り飛ばして、そのまま彼は顔をテーブルに勢いよく叩きつけてしまった。
「それじゃ私も面倒ってことじゃない! むぅー、何か腑に落ちないけど~」
ふくれっ面でジョーイに抗議の意を伝えるマライア。そんな面倒になりそうな彼女を軽くいなして
ジョーイは砂浜に打ち上げられた瀕死の魚のようなライナスへ、"グイッ"と強引に彼女の顔を動かした。
「アチャー……ライナスー大丈夫ー? げっ……泡吹いちゃってるよ。おーい、おーい」
そうするとマライアの思考はライナスを弄ることにスパッと早変わり。
彼女は笑いながら彼の顔をつまんで伸ばしたりして、生きてるかどうか確かめ始めた。
「ふひひひひ……おーい、ライナスさぁーん! 大丈夫ですかー?(笑)」
「マライア気にするな、いつもの事だ。ハァー、やはり面倒ごとにはなってしまうのか」
「あーあ、これは一度周りを片付けたほうがいいね」
顔を弄って遊ぶのにも飽きたのか、マライアとジョーイは周辺の片づけを始めた。

そんなとっちらかった現場の片付けをしている2名+ノシている1名の元にまた一人の士官候補生が現れた。
トレヴァー・ラドクリフ。緋色の目、ウェーブがかった髪の毛を栗色に染めているニューマン。ノリが良く、
話しを汲み取ることが上手な性格の為、上手くその場を和ませる立ち位置の男だ。
クラスはテクター。周りに気を配りつつも、ここぞの場面でウォンドによるラッシュを叩き込む支援とアタッカー
の両方を熟せるスタイルが持ち味だ。
「よっ! 校内に知れ渡るお気楽コンビ!! 今日も賑やかにっ……お疲れ様ッス」
何が起こったのかを察した彼は、ようやく片付けを終わらせた2人にねぎらいの言葉をかけた。
「コイツ変な所でガラスのハート割れるからな~、いつものことか……」
「そうだ、今に始まったことではない」
「まー面白いからいいけどね!」
諦め・諦め・楽しみと一人違う感情を持っている者がいるが各々納得してしまうライナスの性格であった。
「とりあえず、これでいつもの4人が集まったという訳ね」
「一人この状態だがな」
いつもの4人が集まったことを確認するマライアと、一人まだ復活しないライナスを指さすジョーイ。
「ハハハ! これもいつも通りか、マライア頼んだ!」
「はいはい、私にまっかせーなさーい!」
トレヴァーのサムズアップにVサインで答えるマライア。
いつまでも動かないライナスを復活させるべく、彼女は右手を前へ後ろへグルングルン回し始めた。
そして良い感じで肩から腕まで温まったのだろう、ファイターで鍛え上げたその拳を握りしめ――
「あーたーらーしぃーいー♪ あーさがーきぃーたァァァ↑↑↑」
ライナスのお尻に向かって渾身のアッパーをぶちかました。

――ドゴォッ!――

「んんんノアアアァァァァァ!!!!!!」
誰もが声を発した方向に顔を向ける雄叫びのような悲鳴を上げて、ライナス・ギルバートが現世に復活した。



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